向こうから、見ず知らずの人が、あなたに向かって歩いて来ます。
会ったこともない人です。
その人は、遠慮がちに近づいてきて、おそるおそるあなたに尋ねました。
「○○さんですよね?」
あなたが、「違います」そう答えると、その人は不思議そうな顔をしてじっとあなたを見ています。
どうやらあなたは、誰かと人違いをされたようです。
そして、その誰かは、あなたに瓜二つの人のようです。
この世には、自分にそっくりな人が、少なくとも3人はいると言われています。
「他人の空似(そらに)」というものですね。
外見の多様性を研究している、米コーネル大学のマイケル・シーハン氏によると、多くの人の中で似た顔が出現するのは、意外にも
「遺伝子の多様性が限られている」
という理由からだそうです。
一卵性双生児がまさにいい例ですが、家族や親戚同士は遺伝子の関係で、顔が似ているケースが多いです。
同様に、同じ民族同士や血統が近い間柄には、自分に似た容姿の人がいる確率は高まると言われています。
また、「人口」も瓜二つの出現に影響するようです。
「人口が十分に多くなれば、自分とほとんど同じ容姿をした全くの他人に会うことになるでしょう」
シーハン氏はそう語ります。
現在、地球の人口は約75億人。
そのうち特に人口の多い国は、中国(約13億人)とインド(約13億人)です。
この2国で、なんと、地球の人口の3分の1に達しています。
ですから、この2国の中では、自分とそっくりな他人がいる確率が、他の国よりも高いのかもしれません。
果たして世界中で、あなたにそっくりな人は何人いるのでしょうか?
また、偶然にもめぐり会うことはあるのでしょうか?
(シーハン氏の話は、エキサイトニュースより抜粋・引用)
自分と瓜二つの赤の他人がいる。
これとは別に、人の心の奥深さを見るような少し気味の悪い現象が、昔から報告されています。
自分とそっくりの姿をした
「自分の生き写し」
を目撃する現象です。
これは、「ドッペルゲンガー」と呼ばれています。
「ドッペルゲンガー」はドイツ語で、「ドッペル(Doppel)」は英語の「ダブル(double)」に相当するようです。
「ドッペルゲンガー」をそのままを訳すと
「二重の歩く者」
「二重身(にじゅうしん)」
などの意味になるようです。
「ドッペルゲンガー」は
いくつかのパターンが報告されています。
その1.
自分自身の姿を自分で見る
(幻覚の一種といわれる)
その2.
第2の自我、あるいは
生霊(いきりょう)と呼ばれる
その3.
同人物が同時に別の場所に
姿を現す
(2人以上の場合もある)
「ドッペルゲンガー」は、前述の「他人の空似」とは違うようです。
自分のコピー、分身、あるいは多重人格に近い現象でしょうか?
古くから、伝説や迷信などにも登場し
肉体から魂が分離したもの、などとも言われ、しばしば超常現象として扱われてきたようです。
「ドッペルゲンガー」を見た者は死ぬ、という伝説もあるようです。
(ドッペルゲンガーの説はウィキペディア(Wikipedia)より抜粋・引用)
謎めいていて、怪奇小説の格好の題材のようですが、これまでに、「ドッペルゲンガー」についての著名な人たちの証言もあります。
著名な人たちの例としては、
ドイツの作家・ゲーテ
イギリスのエリザベス一世
アメリカの元大統領・リンカーン
フランスの作家・モーパッサン
日本の作家・芥川龍之介
など、多数です。
ゲーテの場合です。
ある道をゲーテが馬で通るとき、向こうから馬でこちらに向かってくる男を見たそうです。
その男、服装は違ってもなんと
自分自身
だったそうです。
自分自身を見たとき、ゲーテは何故か、とても心穏やかになったそうです。
そして、そのことは忘れてしまいました。
そして8年後、再びその道を、今度は以前と逆方向に馬を進めているとき
ふと、自分自身が、
8年前に見た別の自分の服装をしている
ということに気づいたそうです。
芥川龍之介は、自分の「ドッペルゲンガー」が一度は帝劇(帝国劇場)に、一度は銀座に現れたと述べていました。
(帝国劇場と銀座はすぐ近くですね)
人違いや目の錯覚ではないか、との問いに、
「そう思えれば簡単なのだが
そうとは言い切れないのです」
と言ったそうです。
(自らのドッペルゲンガーを見たという偉人の話は、カラパイヤから抜粋・引用)
「ドッペルゲンガー」
いるはずのないもう一人の自分。
自分で自分の生き写しを見るという意味では、
これは心の中の現象で、自分の幻影
自分の中の別人格
あるいは、自分の中の無意識のメッセージ
そういったものが、自分の目に映し出される現象なのでしょうか。
人の心の不可解な深遠を感じるからこそ、「ドッペルゲンガー」をあまりいい印象でとらえない場合が多いのかもしれませんね。
「ドッペルゲンガー」でなくても、自分の中に複数の心が存在すると感じることはないでしょうか。
人が何か行なおうとするとき、もう一人の自分が登場してそれを、はばもうとすることがあります。
例えば、エネルギッシュに目標に向かって進もうとする自分と、それを反対の力で引きとめようとするもう一人の自分です。
ソウルパンケーキというメディア会社が、11,000人を対象に以下のような質問を投げかけました。
「こうあるべきだと思う自分と、現実の自分を隔てているものは、いったい何か?」
果たして、どんな回答が集まったのでしょうか。
人の願望や成功目標などは、実に様々で、それを成し遂げる道は何通りもあることでしょう。
ですから、この質問への回答は、実に多岐にわたることでしょう。
なりたい自分と現実の自分を隔てているもの
それは、
気力が続かないことか
優柔不断なことか
時間がないことか
お金がないことか
仕事が忙しいからか
助けが得られないからなのか
・・・
どのくらいの種類の答えが返ってきたのでしょう。
実は、一番多かった答えは、ただ一つだったのです。
それは「恐怖」でした。
恐怖とは何か。
こんな事は不可能だ
きっと失敗するに違いない
誰も理解してくれるはずがない
こんな事はバカげている
リスクを背負うくらいなら、
やはりやめておこう。
これらの気持ちが「恐怖」です。
自分の中に沸き起こる、いわば、もうひとつの人格です。
この人格は、前に進もうとする自分を妨げ、足を引っ張り、元の場所に戻そうとします。
こうして人は、「恐怖」に負けて、新たな道から退散していくのです。
(なりたい自分の質問の話は、エキサイトニュースより抜粋・引用)
当然のことですが、この「恐怖」というものは、他の誰でもない自分が作り出しているものです。
「ドッペルゲンガー」のように、正体不明なものではありません。
人は、何かを達成しようとする時「恐怖」を感じる。
そういう調査結果だったのです。
さて、あなたはどうしますか?
アイルランド出身の劇作家
オスカー・ワイルドの言葉です。
「人生は複雑じゃない。
私たちの方が複雑なのだ。
人生はシンプルで、
シンプルなことが正しいことなんだ」
では次回また!
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