ある朝目覚めたら、家の様子がどうもおかしい。
いつもの廊下、いつもの部屋なのに、何かが違う。
雑然としていたはず居間に、豪華な品のいい家具が綺麗に配置されている。
家族の様子も違う。
作業着で夜勤に出るはずの兄が、スーツを着こなして出勤前の朝食をとっている。
いつから昼間の会社勤めになった?
上司に苛められて、いつもヘラヘラおどけていた父が、自信たっぷりでカッコいいナイスミドルになっている。
家族の誰もが、今までとは別人になっている。
しかし、誰もが以前と今の変化に気づいていない。
変化したことを知っているのは、僕だけなのだ。
その秘密はこうだ。
実は昨夜、僕はタイムトラベルで30年前の過去から、現在に帰ってきた。
そのまま寝てしまって、今朝になって気づいたが、過去に干渉したせいで、現在の世界が変わってしまっていたのだ!
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タイムマシンで、30年前の過去から現在に戻ってきた。
これは、1985年公開の映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のラストシーンです。
(以下、ネタバレを大量に含みます。すでにバラしていますが(*^o^*))
多くの人にとって、もうご存知のストーリかもしれません。
マイケル・J・フォックス演じる主人公・マーティが、タイムマシンによって30年前の過去に飛ばされてしまい、当時高校生だった自分の父と母を恋人として結びつけようと奮闘する話です。
なぜ父と母を結びつけるのか。
それは、二人が結婚してくれないと自分が生まれない。
つまり、自分が消滅してしまうからです。
このタイムマシンは、デロリアンというアメリカ車を改造したもので、1.21ジゴワット(正しくはギガワット)もの大きな電力を使い、時速88マイル(時速約140キロ)のスピードに達するとタイムスリップする、というシロモノです。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は、PART2とPART3も作られて、一大シリーズとなった映画ですが、僕はこの映画はあくまでも「1話で完結している」と思っています。
やはり、最初の作品の完成度が、圧倒的に高いのです。
ストーリーが1話の中に練りこまれていて、ラストカットも話の終わりにふさわしいものです。
当時、映画の制作側も「1話もの」として作ったようです。
(もっとも、当たり外れのある「映画」というものは、全て最初は1話の計画だけなのでしょうが)
その後、映画をビデオ化したときに、ラストシーンに「TO BE CONTINUED...(つづく)」とテロップを入れたそうです。
劇場公開時にはなかったテロップです。
すると、映画の続編に関する問合せが殺到したのです。
何とマイケル・J・フォックスも、問合せ者の一人だったとか!
その反響の大きさで、PART2とPART3を作る事が急遽決まったようです。
この「TO BE CONTINUED」は、そもそも続編の告知テロップではなく「マーティたちの冒険はまだ続く」という意味を込めて、あくまも物語上の洒落として入れられたものだったそうです。
そのテロップへの反響が、人気度を計る役割を果たしたのかもしれません。
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ところで、よく言われることですが、タイムトラベルは現実に可能なのでしょうか?
H・G・ウェルズの小説「タイムマシン」の時代から、人はタイムトラベルを夢見てきました。
未来に行って、人類の進歩を見てみたい。
過去に行って、はるか昔の時代を体験したい。
失敗したことを、もう一度やり直したい。
今は亡きあの人に、もう一度会ってみたい。
タイムマシンがあれば、人類や宇宙の秘密を垣間見たり、不可能だった夢を実現できるかもしれない。
しかし、結論から言うと「過去への旅」は不可能だそうです。
もし過去への移動が可能だという理論があれば、是非、情報として教えてください。
こちらからどうぞ!(^-^)
その一方で、「未来への旅」は、アインシュタインの特殊相対性理論から導き出すと、理論的には可能なようです。
つまりこういうことです。
物質は、光速に近づくと質量が増加して時間の流れが遅くなる。
速い速度で移動を続けると、地上で普通に暮らすよりも時間がゆっくり流れる。
だから、高速度の旅から地上に戻って来たときには、結果的に未来に行っている
という理論です。
いまひとつわかりませんね (^-^;)
「双子のパラドックス」という例え話があります。
双子の赤ちゃんの「兄」の方が地上に残り、「弟」が光速に近いスピードの宇宙船の中で暮らすとします。
弟が地上に戻ってきたときに、彼は10歳になっています。
しかし、地球上では80年もの時間が経過していました。
兄はなんと、80歳になっていたのです。
このとき弟は、「70年後の未来に到着した」ということになるのだそうです。
※80年というのは単なる例えです。
このことの、ごく身近な例があります。
東京大学の佐藤勝彦名誉教授は、言います。
「新幹線で東京から博多まで、1,200キロを移動すると、10億分の1秒未来に行くことになる」
そ、そうだったんですか!( ̄□ ̄;)
このぐらいは、実際に我々が体験することですよね。
「未来に行くのは簡単。光速に近いスピードで動く乗り物を開発すればよいのですから」
佐藤教授はこう述べています。
(佐藤勝彦名誉教授の話は、AERA dot. (アエラドット) サイトより抜粋・引用しています)
しかし、本当に光速に近いスピードで宇宙のどこかへ行って何十年か後に帰ってきたら、地上にいた自分の家族や知り合いは、きっといなくなっているでしょう。
知らない人々、知らない環境で、生きていくことになりますよね。
一緒に宇宙を旅した人だけが、自分の知っている仲間です。
さらに、帰ってきたとき、もしかしたら地球の様子は大きく変わっているかもしれません。
この現象を表現した映画が、1968年公開の「猿の惑星」です。
地球から飛び立った宇宙船が、高速度で宇宙を航行している最中にトラブルを起こし、ある惑星に不時着します。
その惑星では、猿が人間を支配するという恐るべき世界が展開しています。
しかし、ラストでわかるのですが、この惑星は実は地球だったのです。
地球人は自らの文明を滅ぼし、代わりに猿が地上を支配していたのでした。
ここまで書いておいてなんですが、主人公がラストでそこが地球だとわかった理由、これをご存じない方は、是非映画を観てください (^-^)
「猿の惑星」は、高速度で宇宙を航行中に地上では膨大な時が流れ、さらに、世界がとてつもない変化を遂げていたという物語です。
鋭い風刺が効いた名作でした。
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10年後・20年後の未来に自分がいるとしたら、過去(つまり現在)の自分に何を伝えるでしょうか。
「未来の自分」とは、現在の自分から見ると、様々な問題を乗り越えた自分、目的地にたどり着いたような自分でしょうか。
「こうなっていたい」と思う「理想の自分像」かもしれません。
未来の自分は、過去の自分に対していろいろと言いたいことがあるでしょう。
今、これをやっておけ。
今、これはやめておけ。
今、この人と会っておけ。
今、たくさんのことに挑戦してもまだまだ間に合うから、安心しろ。
などなど。
未来の自分は、過去を振り返っていますから、いろいろな希望や忠告を与えてくれるかもしれません。
人は、過ぎ去った過去のことはよくわかっています。
そして人は、辛いとき、うまくいかないとき、
ときには、過去を思い出したり、過去に戻ることを想像しないでしょうか。
過去を思い出して悔やむこともあります。
あのとき、こうしておけばよかった。
あのときの行動が、失敗の原因だった。
過去を悔やむことは「後悔」です。
過去から学ぶことは「反省」です。
「後悔」は、してもしても足りることがないかも知れません。
でも、過去に旅することはできないのですから、いくら「後悔」しても、その原因を正すことはできません。
正すとしたら、これから先の未来。
あるいは、未来の自分から見た「今」です。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」では、30年前の過去で、マーティが父と母を引き合わせようとしますが、なかなかうまく行きません。
過去であっても、現実はそう思い通りにはいかないのです。
気弱な父が、横暴な同級生のビフ(未来の上司)に、いいようにイビられています。
そのビフが、無理やり母を恋人にしようとします。
マーティが阻もうとしても、ビフやビフの手下に邪魔されたりして、うまくいきません。
しかし、最後の最後に父の怒りが炸裂して、ビフを渾身の一撃で殴り倒します。
父は、誰の力も借りずに、震える手で、ガキ大将をノックアウトしたのです。
つまり、父と母を結びつけたのはマーティではなく、結局は父本人の力だったのです。
この一発のパンチで、歴史は変わりました。
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30年後の未来(現在)に帰ってから、家が裕福になって家族の様子も変わっていたのは、父が作家として成功したという別の時間軸の先にある未来でした。
その別な未来で、父はマーティに言います。
「夢は諦めなければ叶うんだ」
一発のパンチとたくさんの努力で、人生と未来を変えた父の言葉です。
「でも父さん、僕が未来から過去に行って、父さんを勇気付けたんだよ?」
マーティは、こう言いたかったことでしょう。
では次回また!
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