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「無意識」があなたの未来を作る。潜在意識の驚くべき力。

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2004年、アメリカで、驚くべき調査結果が報告されました。

「婚姻の記録」についての調査です。

婚姻といっても、世帯調査や人口調査、あるいは離婚率の調査などではありません。


テーマは「人の心」、心理学の調査です。


調査の主催者は、心理学者のジョン・ジョーンズ。

彼は、アメリカのジョージア州ウォーカー郡とフロリダ州リバティ郡の、実に15,000件の「婚姻の公記録」を調べました。


その結果

名前の最初の文字(イニシャル)が自分と同じ人」同士のカップルが、偶然の一致にしては多過ぎる、ということがわかったのです。


例えば
ジョエル(Joel)という男性が、ジェニー(Jenny)という女性と結婚した。
アレックス(Alex)という男性が、エイミー(Amy)という女性と一緒になった。
ドニー(Donnie)が、デージー(Daisy)とゴールインした・・・


こういった具合です。

 

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しかし、生涯を過ごそうという相手が、そして人生の重要な決定が、まさか「名前の最初の文字」に影響されるのでしょうか?


そんなことは偶然に違いない」と思う人も多いでしょう。


しかし、調査結果はそうではなく、明らかな傾向を示していたのです。

 


また、別の調査結果です。


心理学者のブレット・ペラムは、やはり公記録を徹底的に調べ上げた結果、

「誕生日と住所」が関連しているということを発見したのです。

 

いったい、どういうことでしょうか。

 

例えば、誕生日が2月2日の人が、ツインレイクス(Twin Lakes)のような、数字の「2」に関係がある名前の都市に引っ越す可能性が、異常に高かったのです。


3月3日に生まれた人が、スリー・フォークス(Three Forks)のような名前の場所にいる。


6月6日生まれの人が、シックス・マイル(Six Mile)のような場所に住む。

 

こうした割合が、統計的に「多過ぎた」のです。

これらの調査結果は、いったい何を示すのでしょうか?

 

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●イニシャルと居住地

結婚相手のイニシャルも、誕生日と居住地も、本人たちが「意識」して合わせているわけではないでしょう。


特別な理由がない限り、結婚相手をイニシャルでは決めないでしょうし、

居住地は、誕生日と地名との関連ではなく、建物や環境、賃貸・購入価格などで決めるでしょう。

つまり、不思議な関連性を示した多くの人は、「無意識」にそうしている、と考えるしかありません。



「これには、人の潜在意識が関わっている」


アメリカ・スタンフォード大学の神経科学者デイヴィッド・イーグルマンは、そう説きます。

今回は、イーグルマンの著書「あなたの知らない脳 意識は傍観者である」を中心に、「潜在意識」の世界を覗いてみましょう。



●自分が知らない自分

潜在意識」とは、自覚されない意識のことです。

普段の「意識」がアクセスできない領域だと言われています。


「潜在意識」には、はかり知れない膨大な情報が蓄積されているようです。

例えば、これまでの何世代にもわたる進化の過程や、自分の生涯の経験などです。


我々の表面に現れる「意識」はごく一部のもので、実は、脳のほとんどが「潜在意識の領域」だと言われています。

 

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デイヴィッド・イーグルマンは、こう言います。


我々が普段見聞きするもの、やること、考えること、信じること」のほとんどが、「無意識の活動によるものだ、と。


冒頭の「結婚相手」や「居住地」の調査結果は、潜在意識の「傾向」を表していると言います。

その「傾向」とは、人が「他人に映る自分を愛する」という傾向です。


自分と同じイニシャルや、自分の誕生日を連想させる地名は、無意識に「自分自身を連想させる」のです。

 

●「潜在意識」がする仕事

「無意識の領域」は、実に多くの大事な仕事をするようです。


息をしたり、食べたり、排泄したりする。

こうした、意識しなくても行う機能から始まって、一連の複雑な動作を脳に焼き付けることもします。


例えば、苦労して自転車の乗り方を覚えたら、次からは、意識しなくてもあたり前のように乗れるようになった。

最初は、まず右足を上げて、サドルの上で重心を真ん中に寄せて、倒れないように漕ぎ続けて・・・と苦労していたが、

「無意識の領域」は、それらの複雑な動作を整理して記憶し、「意識しなくても自動的に行える」ようにする。

 

よりエネルギーを使わずに、効率的に行えるように、脳に焼き付けるのです。

 

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または、人が判断するときの例です。


人が何かを決めるとき、「意識の7秒前に脳が判断している」という調査報告があります。


意識が動くはるか前に、「無意識」が膨大な検証をして判断の下準備を終えている、というのです。

つまり、意識的に決断するときには、自分の中での判断はとっくに済んでいる、ということです。


もちろん、我々は「無意識」のしている大仕事には気づきません。

「無意識」は、ただ黙々と裏方仕事をしているのです。

 


あるいは、スポーツの例です。


野球の速球を打つには、「意識的な」反応スピードでは動作が間に合わない、と言われています。

目でボールを確認して情報を脳に送り、バットを振るために筋肉を収縮させる。

ここまでの時間を「意識」を通して行っていては、速球は打てないのです。

それでも、優秀なバッターは剛速球を打ち返します。


つまり彼らは、「意識」以上のスピードで反応して打っている、ということになります。

 

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「無意識」は、さらに神レベルの仕事を行います。

 

●ヒヨコと戦闘機

驚くべき「潜在意識」の力の例が、2つあります。

 

1つ目は、日本の「ヒヨコの雌雄鑑別(しゆうかんべつ)師」の技。


養鶏業者では、鶏のヒナが生まれると、そのヒナをオスとメス(雌雄)に分ける作業をします。

卵を産むようになるメスとそうでないオスを、選り分けるのです。


ところが、ヒヨコの「性差」は非常に少なく、この見分け作業は非常に難しいそうです。

 

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さて、世界で最優秀のヒヨコ雌雄鑑別師(chicken sexer)は、日本で訓練を受けてきたという歴史があるそうです。


日本人が1930年代に「肛門鑑別法」と呼ばれる手法を開発して、その熟練者がいたためです。


ヒヨコのおしり(肛門があるところ)を見てオスとメスを判別する手法で、高度に熟練した技です。


ところが不思議なのは、この雌雄鑑別師は、自分がどうやってヒヨコを見分けるているのか正確に説明できないことです。


習得現場の様子はこうです。


生徒がヒヨコを手に取り、おしりを検査して、オスかメスのどちらかの箱に入れる。

そばに立っている指導者が、「OK」か「NG」を伝える。

何週間もこの実習を繰り返して、生徒はようやく識別ができるようになる。


しかし、熟練者たちは、自分がどうやって見分けているのかを明確に言葉にできないのです。

 


2つ目は、イギリスの対空監視員の例。


第二次世界大戦中、爆撃の脅威にさらされていたイギリスは、戦闘機を瞬時に見分ける必要に迫られていました。


今飛んで来るのが、爆撃にやって来たドイツ機なのか帰還したイギリス機なのかを、判別するのです。


何人かの優秀な監視員がそれを見分けていましたが、軍はそうした熟練者をもっと増やそうとしました。


しかし、対空監視員たちは、自分たちがどうやって選別しているのか、正確に説明できないのです。

 

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ここでも、次のような習得の光景が繰り広げられました。


新人が推測した結果に対して、ベテランが「イエス」か「 ノー」 と言う。

このフィードバックを、繰り返す。


こうして、習得者は戦闘機を見分けることができるようになったのです。


ヒヨコの例も戦闘機の例も、熟練者が自身の技を意識できず、説明もできない


「意識」を超えた力、と言うべきでしょう。

 

 

●「無意識」はどこへ向かうのか

「無意識」は、我々の生命を守り、混乱することなく生きていくために機能しているようです。

しかし同時に、我々の未来にとっての「障害」にもなりえるのです。

いったい、どういうことでしょうか。


その理由は、「潜在意識」の強さにあります。

「潜在意識」の影響はあまりにも強力で、止めたり変えようとしない限り、コントロールできないのです。


それは、こういうことです。

 

自分が好きになる相手、美しいと感じる対象、他人との関わり方、全てを「無意識の自分」が決めている

これまでの経験や記憶をもとに「無意識」が判断し、行動に移している、と言うのです。


「無意識の自分」は、強力に「自分」を管理しています。

そして、ストップをかけない限りそれを繰り返そうとするのです。

 

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あなたはおそらく、こう思うでしょう。


自分は、自分で考えて行動していると思ってきたが、そうではなかったのか?

全てがあらかじめ決められているのなら、そもそも「自由な意識」など存在しないのか?

これからもずっと、自分は「潜在意識」に管理されるのか?

 

 

答えは「ノー」です。

 

 

人の意思決定とは、やはり「意識」が行うものです。

「意識」こそが、未来を描くのです。

必要なのは「無意識」を超えるほどの「強い決定」だ、とイーグルマンは説きます。


「これが好きだ」「こうしたい」という、新たな強い指令を出す。

このことが必要だ、と言うのです。


自分に対して「明確な意図」を発しないと、

いつまでたっても、過去をもとにして作られた未来しかやってこない。


彼はそう説くのです。

 

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●自分を運営するCEO

「意識」は、あたかも「自分」という会社の「最高経営責任者(CEO)」のようです。


普段の雑多なこと、あれこれ複雑なことは、社員である「無意識」の判断と行動に任せておきます。

実に、忠実で有能な社員です。


そして、ここぞというときにCEO(意識)が要望や長期計画を立て、社員(肉体や無意識)にそれを実行してもらうのです。

 

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結局のところ、人は自分が進もうと思っている方向にしか進みません。

「自分自身が今どこに向かっているのか」

「何を優先しようとしているのか」

これを知ることが大切だ、とイーグルマンは言います。


そして、もし自分が「意識」とは違う方向に進んでいるのであれば、強い意志でそれを「修正」することです。

 

これからどんな未来設定をしていくのか、「意識」というCEOに選択の自由と責任があるのでしょう。

そして、CEOが落ち着いてその決断ができるように、「無意識」は、ほとんどの膨大な仕事を担ってくれているのです。

 

 

ではまた!


(当記事の内容の一部は、以下のページより引用・抜粋・加工しています。
デイヴィッド イーグルマンあなたの知らない脳 意識は傍観者である
「引き寄せの法則虎の巻」サイトWEDGE Infinity(ウェッジ)サイトWIREDサイト

 

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