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熱中症と前例主義

 

7月5日(金)

ジョギング無し


京都市の浄水場に社会見学に行った小学校の児童が、熱中症で病院に運ばれたらしい。

熱があってけいれんしている子もいたとか。

無事元気に回復してほしいと思う。


このところしょっちゅう、気温が非常に上がるので不要不急の外出は避けるように、というニュースが流れている。

7月5日の京都市内の正午時点の気温は、35.8℃だったそうだ。

午前11時の暑さ指数は31.0で、ランクは一番上の「危険」

やはり「外出はなるべく避けて、涼しい室内に移動すること」が推奨される状況だったそうだ。


なのに、こんな日になんでわざわざ屋外の社会見学に行ったのか?

 

 

この件に関するネット上の投稿を見ていたときに、こういうのがあった。

「社会見学は学習に合わせて訪問するので、この時期になったのでしょう。」

「社会見学の時期は、見学先の都合優先で時期を決めています。
浄水場が7月上旬の受け入れとしたなら、その時期に行くしかありません。
観光バスをチャーターすることもあり、当日の気温が高いからと簡単に変更できません。」


つまり、「スケジュールで決まっていたから行った」ということなのか。

どんな状況でも「実施ありき」だったのか。

たとえ熱中症の危険があったとしても。


そうだとすると、児童の安全よりも予定通りの実施が優先されたということになる。

命の安全よりも優先された、と言えるかもしれない。


あくまでも想像だが、引率する先生や学校側は

「厳しい暑さだが、まあ大丈夫だろう」と思ったのかもしれない。

「大事に至ることはないだろう」とふんだのかもしれない。

「とにかく実施しなきゃ」

「スケジュール通りにやらなきゃ」と思ったのかもしれない。


あくまでも私見だが、学校というのは、「決まり」「規則」「前例」に縛られているように感じる。

学校も教員も。

そして、児童たちにはその「決まり」「規則」に沿った教育をしている。


僕が子供の頃もそうだったし、驚くなかれ、今も変わらずそうだと思う。

日本の前例主義が、色濃く出ている。


この特徴は、学校だけではなく、日本の社会全体を支配しているように思う。

もう一種の定型文のような表現だが、「この「決まり」「規則」「前例」が、「新しいこと、個性的なことを潰して、順応する人間を作り上げていく」のだ。

悲しいかな、教員も潰されているのかもしれない。


そしてそれが、日本を衰退させ続けている大きな原因の一つだと思った。

児童が明らかな酷暑の中で熱中症になったのも、

その危機を感じて日程を変更できないのも、

決まりきった考え方しかできない人間が作られていくのも、

全ては、いくつかの大元の原因に通じていると思う。

 

ではまた明日!